昨日、思いもよらぬ電話が船主協会に入りました。
ある大学の学生さんだったのですが
卒業論文に「なぜ今ここで新規で漁師を目指す人が増えてきたのか」をテーマに研究したいとのことで
アンケートを作成したのでお答えただけませんか?というものでした。
漁師という括りには我々の漁船漁業だけじゃなく、沿岸漁業なども含まれるものと思いますが
ここに着目されるほど社会的な現象になってきたんだなと、少しうれしく思いました!
水産庁のホームページで「平成30年度水産白書」を確認しますと
【新規就業者数の推移】
年々漁業就業者数が全国的に減少しているのが積み上げグラフで確認できるのですが
その中で39歳以下の就業者数の比率がゆっくり上がってきているのが分かります。
つまり、新しく漁師を始める人よりも、引退する方の方が多いので全体的には右肩下がりになりますが
確実に新しく漁師になろうとする人が増えていることを示すグラフでもあるのです。
それが次のグラフにも現れています。
【新規就業者数の推移】
このブログを始めた平成24年(2012年)から増加傾向にあることが分かります。
ここの理由付けを深く掘り下げていくんだと思いますが
完成したら、ぜひその研究結果を見てみたいものです。
気仙沼だけじゃなく、遠洋漁船の隻数を維持するためにも
やはり乗組員の確保は重要な問題です。
これらのグラフは沿岸漁業等も含めた数になりますので
我々の遠洋漁業の実情とはイコールではありませんが
乗組員数全体を底上げするためにも、一人一人の確実な育成が大切になってきます。
乗組員の募集は常時行っておりますので
興味のある方は宮城県北部船主協会にお問い合わせください。
電話=0226-22-0793
宜しくお願いします。
さて、今日の「海の男にあこがれて」は福岡県立水産高校を卒業後、遠洋マグロ延縄漁船に乗船した少年の乗船記。
じっくりとご覧ください。
今年3月に地元の福岡県を出て、気仙沼市で幼いころからの夢であった「漁師」になることができました。
私の生まれ育った町は海に近いわけではなく、山の方が近い場所です。
少し車を走らせると「博多」があります。
博多の良いところは、博多発祥の食べ物がおいしいという事です。
博多の明太子、とんこつラーメン、もつ鍋など、東北の方々は食べる機会があまりないかもしれませんが
博多に行った際には何か食べてみてはいかがでしょうか。
ホントにおいしいと感じていただけると思います。
私はこの●●丸に乗る前は、片道1時間以上かかる地元より遠く離れた福岡県立水産高校に通っていました。
私は船に乗るための学科で勉強していた訳ではありません。
しかし、違う学科で学んだこと、そこで出会えた友人と過ごした日々はとても良いものでした。
口下手で人と接することをあまり好まなかった私に、人と会話して遊ぶことが楽しいと思わせてくれました。
そんな生活を送ってきた私がなぜ、マグロ漁船に乗ろうと思ったのかと言いますと
就職活動中はマグロに関する仕事に就きたいと思っていたものの、いったいどこに就職すれば良いのか分かりませんでした。
そんな時の昨年、福岡県で開催された漁業就業支援フェアで宮城県北部船主協会の吉田さんと出会い
遠洋マグロ漁船の話を聞き「寝る時間が少ないよ」とか「携帯電話が使えないよ」とか言われ
少し後ろ気味になってしまったのですが「キミと似たような人が船に乗っている。最初は諦めかけそうだったけど
今もちゃんと乗り続けているよ。だからキミも大丈夫!」と言っていただきました。
そこで私は「遠洋マグロ漁船で働いてみたい」と思いました。
しかし、実際にマグロ漁船に乗ってみると、最初から船酔いに悩まされ、自分の仕事力の低さなどに驚きました。
それに、仕事以外でもいろいろと注意されることがあり
「自分は仕事をしに来ただけじゃなくて、社会人になった」と実感しました。
吉田さんのお話の通り寝る時間が少なくて辛いです。
他にも驚いたのが休みの日があまりないことです。
それに休みの日は決まっていないので、いつ休みになるか分かりません。
マグロ漁船に乗ってみて、思い違いや初めて知ることが多くありますが、やはり船に乗ってみてわかる魅力もあります。
それはお金を稼ぐことができることです。
1年のうち多くの日々を船で過ごすため、お金を使うことがないので貯まっていきます。
反面、苦労もあります。
それは知らないところでいろいろと事が進んでしまうことです。
仕事が休みの日でも何かしらの作業があったりしいます。
その時にいち早く気づいたり、情報を入手しなくてはいけません。
船の仕事は毎日同じような仕事ではありますが、1日だけ違う仕事があります。
それは「転載」です。獲った魚を運搬船に移す作業です。
船のクレーンを使って移すのですが、釣り上げた魚をみると「こんなに獲っていたのか」と思います。
今の気持ちは仕事が始まってからのこの半年、結果ばかりにフォーカスしてしまい、いろいろな仕事に手を伸ばした結果
失敗という形になりました。
なのでこれからは結果だけにフォーカスせず、一つ一つ基礎を固めていき成長を感じたいと思います。
これから漁船員になろうとする人に話しておきたいことがあります。
それは「準備の大切さ」です。
先ほども述べた通り、学校生活が楽しく、それは今まで以上に幸せでした。
そのため友人と一緒にいる時間を選んでしまい、船に乗るための準備をしていませんでした。
そのために今、後悔をしています。
準備とは縄の結び方でも、船に必要な道具の買い出しでもいいと思います。
気持ちの準備でも構わないと思います。
長くなりましたが、これを読んで少しでも感じていただけたら幸いです。
愚の如く、魯の如く、よく相続するを主中の主と名づく
洞山良价(とうざんりょうかい)
(禅師・807年- 869年)
〔意味〕
愚か者のように見えてもいい。
つまらない人間のように見えてもいい。
ただひとつのことをやり続ける人間こそ、自分の人生を生きている人間といえるのである。
1100年以上も前から今と同じようなことを言われている。
「愚か者のように見えてもいい。つまらない人間のように見えてもいい。」
逆に読むと、どれだけ多くの人が他人に愚か者等と言われることを恐れ、自分の人生を全うできなかったかという事だ。
さらに、自分の人生を生きている人間は輝いているということも意味する。
昔から何も変わっていない。
恐れず行動からはじめよう。
--------------------------------------------
遠洋マグロ延縄漁船
近海マグロ延縄漁船
乗組員を大募集(未経験者可)しております!
厳しい仕事であるけれど、大海原に漁に出て稼いでみたい!
本気のあなたを全力でサポートいたします。
本気になれる35歳未満の男性
まずはご連絡ください
↓↓↓↓↓
【カツオ・マグロ漁船の求人(募集)、給料等に関するお問合せ先】
乗組員の募集(未経験者可)につきましては随時おこなっておりますのでお気軽にお電話ください!
名 称:宮城県北部船主協会付属船員職業紹介所
住 所:〒988-0037 宮城県気仙沼市魚市場前8番25号 気仙沼市水産振興センター
電 話:0226−22−0793(月〜金)
メール:senkyo☆biscuit.ocn.ne.jp(☆部分を@に変えてください)
担 当:吉田鶴男