1年半前、当時高校1年生だった彼は、お父さんとマグロ漁船見学に気仙沼へやってきました。
高校を辞めて、遠洋マグロ漁船に乗りたいという。
ヤル気はあるように見えましたが、おとなしく
自分の口から何も語ろうとせず私の話にうなづくだけ。
何か話させても、声が小さく聞き取れない。
なにせ16歳だもの仕方がありません。
でも、彼が飛び込むのは大人の世界。
しかも、その中でも厳しいとされる「遠洋マグロ漁船」
学校だったら許されるかもしれませんが、大人の世界ではまったく通用しません。
私は厳しく突き放しました。
「遠洋マグロ漁船は、あなたの来るところではありません!」
「石川に戻って、高校生活を送りなさい!」
そこから今までの間、それこそ1年半もの間。
私が参加する漁業就業支援フェアをインターネットで確認し、その会場に追いかけて来ては
「マグロ漁船に乗りたい!」という思いを私に訴えてきた。
さすがに福岡会場まで長距離バスを乗り継いで1人で来た時には根負けしましたね(笑)
石川県から福岡県まで来てもらったのに、面談時間わずか5分!
「わかった、わかった」
「俺の負けだよ」
「お前には話すべき事は十分話したから、これ以上話すことはないよ」
「お前の力になるよ。後から電話する」
これだけでした(笑)
乗船前の実技研修も終え、ようやくこの日を迎えることとなりました。
出港の日はかなり気温も低く、凍てついた空気がトゲのように突き刺さりますが
それを和らげるかのように太陽は懸命に照らしてくれています。
過酷な現場で懸命に頑張る彼の姿を象徴するかのような空模様。
船主協会からも、大漁を願ったお祝いを彼に渡します。
今航海の安全と大漁を願う祝杯。
ここまで来ると、みんなの気持ちが一気に高ぶります!
漁師スイッチオンです!!!
何だか、船もこれから始まる航海を前に、少し緊張しているようにも見えます。
陽気なインドネシア船員は緊張を和らげてくれます!
船と陸とを結ぶ歩み板が外され、いよいよスタートです!
出港準備Ok!!!
船が動き出します!
いつものことながら、動き出せば、一瞬で小さくなっていきます。
弱冠17歳。
自宅から高校に通い、親にわがままを言っていればいいものを
なぜに自ら過酷な現場へと足を向けるのか。
水平線の先にある世界に思いを馳せ、そのワクワクを抑えきれなかったのです。
その世界が、彼の最高の居場所になることを心から祈るとともに
我々もしっかりとサポートをしなければならないと思いを新たにする。
ともに頑張ろう!!
失敗したらどうしようと考えた瞬間から、失敗に向かって進んでいる。
中谷彰宏
(著述家・プランナー、1959〜)
失敗から学ぶことは山ほどある。
失敗は大きなチャンスでしかない!
命をとられる訳じゃない。
思いっきりぶつかって行け!!
【カツオ・マグロ漁船の求人(募集)、給料等に関するお問合せ先】
乗組員の募集(未経験者可)につきましては随時おこなっておりますのでお気軽にお電話ください!
名 称:宮城県北部船主協会付属船員職業紹介所
住 所:宮城県気仙沼市港町508-2 福徳第二ビル2階
電 話:0226−22−0793(月〜金)
メール:senkyo☆biscuit.ocn.ne.jp(☆部分を@に変えてください)
担 当:吉田鶴男